【講義内容】
臼蓋形成不全に起因する痛みは、股関節に限らず、鼡径部や大腿内側、さらには膝にまで及ぶことがあります。今回の講座では、こうした複合的な痛みを呈する一症例を通じて、「痛みの本質を見抜く評価力」と「それに基づく治療戦略」の重要性を深く学びます。
まず、臼蓋形成不全における解剖学的特性や力学的な問題点を押さえた上で、鼡径部・大腿内側・膝といった複数部位にまたがる痛みを、それぞれ独立して評価し、痛みの主因を的確に特定する力を養います。特に、関節包前面の癒着、腸腰筋の滑走障害、内転筋の過緊張、膝蓋下脂肪体の滑走障害など、多彩な要因を整理しながら、それぞれの評価と介入の実際を具体的に解説しています。
目の前の症例に「何が起きているのか」を構造的に理解する力を養いたい方に、強くおすすめできる内容です。
【講義一覧】
(1)臼蓋形成不全とその機能的特徴とは
(2)経過と問診
(3)組織学的評価
(4)力学的評価
(5)直接的評価とインソールパッド
(6)治療の考え方と実際